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緑園国際交流トークサロン  No.131
美しく栄光に輝く国
バングラデッシュ

 ハサン・ファルクさんと通訳の浅古さん  
 ハサン・ファルクさんと通訳の浅古さん  
 緑園国際交流トークサロンの131回目が3月24日(土)緑園クラブハウスで開催された。今回のスピーカーはバングラデッシュ(以下バ国)の首都ダッカ出身の横浜国大留学生ハサン・ファルク(Hasan Faruque)さん。「美しく栄光に輝く国・バングラデッシュ」という題で話してくれた。英語でのプレゼンテーションであったので、通訳は浅古さんにお願いした。
 彼は民族衣装Panjabi&Lungi (Lungiは腰の周りに巻く腰布)で。奥様も民族衣装Shariで参加。彼は横浜国大大学院の環境情報学科で環境リスクマネジメントを専攻しえいる研究生。ダッカ大学で教鞭をとっている。
   

 まず、プレゼンテーションの内容を22項目を列挙。国旗は真ん中に赤い円、緑の平原の上に登る太陽と1971年の独立のために流した人たちの血を表している。緑の変幻は国土の緑を表している。国章については、中央上部にあるジュートも3枚の葉はジュート繊維(紡績糸が作られる)を、4つの星は憲法に規定されている民族主義、世俗主義、社会主義、民主主義を表し、真ん中のスイレンは国花を、左右の稲穂は農地を、それぞれ表している。さらに、バ国を象徴する動物、鳥、果物などを写真で提示しながら説明。

気候:亜熱帯モンスーン気候で、降雨量、高温、高湿度が特徴。夏3月~5月、冬11月~2月、雨期6月~10月、春3月、秋10月中~11月中。4月が一番熱く、1月が一番寒い。降雨量が多く毎年洪水が起こる。国土が平坦であり且つ700もの川がある為洪水に悩まされている。
   

人口16500万(日本12700万)、首都ダッカ人口密度:東京都の4.5倍。

独立と言語:英領インドは1947年、宗教上の理由でインドとパキスタン(パ国)に分離。
パキスタンは東(パ国)と西(バ国)に分かれたが、言語の問題(パ国はウルドゥ語、バ国はベンガル語)の争いが主要因で
1971年バ国は独立。建国の父Sheikh Mujibur Rahmanが独立宣言をした。因みに彼の娘が現首相。他に要因があるとは言え言語問題が主要因で独立した国は世界でバ国以外他にない。2.3億人がベンガル語を話し、世界で7番目に多く話されている。

   

主要都市:ダッカ、第2都市チッタゴン、第3都市クルナ、ラジシャヒ。
宗教:イスラム教88.7%、ヒンドゥー教10.3%、仏教0.6%。
通貨:タカ 
1Tk=1.3Yen
主要産業:
 衣類、製薬、繊維、皮革等で、既製服の輸出が輸出の75%を占め、2016-2017には280億$を稼ぎ、GDP12.36%を占めた。輸出入の相手国も図表の上説明。
料理:野菜、果物も写真表示。
世界遺産
:パハルプールの仏教寺院遺跡、バゲルハットのモスク都市、シュンドルボン(マングローブの群生地帯)を写真と共に説明。
教育:633制でなく5322制で、初等教育
5年、中等教育7年となっている。義務教育は12年。

  民族衣装Shariで
  民族衣装 Shari で

 
   

祝祭日:イスラム関係で犠牲祭(Eid-ul-Azha)2月)、断食月明け大祭(Eid-ul-Fitr)があり、Eidとは楽しいお祭りを意味する。ヒンドゥー関係ではDurga Puja(女神ドゥルガーを讃える祭り)。ベンガル新年を祝うPovela Boishakhはバ国での最大の祭り。326日の独立記念日、戦勝記念日等ある。
観光
12か所を取り上げ写真と地図で説明あり。茶畑、滝、バ国最大の淡水湖、155kmと世界最長の砂浜、最大の水上マーケット、マングローブ林、18世紀の宗教的建物等を写真で説明。

 

国際関係:バ国は世界並びに近隣諸国と友好関係にある。バングラデッシュ民主主義党(BNP)と国民党(ジャティア党、JP)及びアワミ連盟(AL、別名Bangladesh People’s League)が主要三大政党としてある。
インドとの関係について、
ALはインドを友好的に見ているが、BNP JPはそうではない(この両党はパキスタン、中国を友好的に見ている)。時々国境紛争がある。過去30年以上、バ国―インド関係はジグザグで進んできた。両国は南アジア地域協力連合(SAARC, South Asian Association for Regional Cooperation)、ベンガル湾多分野技術経済協力イニシアティブ、環インド洋連合、英連邦の共通メンバーである。

 

 中国との関係だが、南アジアでは最大の貿易相手国。2002年防 衛協力協定を締結し、昨年10月中旬には、覚書(Memorandum of  Understanding)を締結し34プロジェクト&プログラムに385億$ の援助を得る事になっている。これはバ国にとり単一国からの 最大の援助である。「中国の勢力拡大の実態がバ国でもはっき りと見て取れる(纏め担当の意見)」
 パキスタン
との関係では、戦争での犯罪の謝罪を求め続けている。両国は上述南アジア地域協力連合(SAARC)、イスラム協力機構(Organization of Islamic Cooperation) 及び英連邦の共通メンバーである。両国は首都に高等弁務官事務所(イギリス連邦では大使館をこう呼ぶ)を置いている。
日本との関係:バ国の日本人
1,081人、日本のバ国人11,470人、輸出10億ドル、輸入13.7億ドル

国の問題或いは心配:ロヒンギャ難民問題、政治の不安定、腐敗

非常に丁寧且つ詳細にわたるpresentationで、予定の時間をオーバーする熱演であった。