緑園国際交流 トークサロン 第154回
 ノンキャリ外交官 万事塞翁が馬の半生記 
いかに自分を守り、日本を守り、世界を守るか?
 ソフトパワーの外交 相互理解を図り、地域一人一人が外交官として
   
 緑園国際交流トークサロン第154回「ノンキャリア外交官が語る「いかに自分を守り、日本を守り、世界を守るか?」が11月25日(土)に開かれました。

 スピーカーは"You Can 2020”代表の中村一博さん。スペイン語専門職として外務省に入省、在職 39年間のうち、スペイン、ボリビア、キューバ、コスタエリカ、ペルー、ウルグアイ、ボリビアの8か国を28年間在勤。退職後は、外国人語学・観光ボランティアを、最近ご本人執筆の「ノンキャリ外交官 万事塞翁が馬の半世紀 まさか、私が陛下のご通訳に!?」が文芸社から出版された。

 この中には、通訳として陛下に同席時の写真や陛下ご通訳の思い出の章が5ページにわたって書かれており、そのご了解を宮内庁へお伺いしたり、ご感想・とねぎらいのお言葉をいただいたことなどが語られた。
 1996年のホンジュラス大使の信任状捧呈式から2001年のメキシコ大統領会見時に陛下通訳として立ち会われた時の30数回の一覧表と写真を映し出し、その写真に中村氏が。
   

 生成AIで「中村一博」で質問し、その回答の画面を見せ、最近は大分有名になってきたようだ、と語る。

 自分の生き方の支えとなった名言として、その一つが「人間万事塞翁が馬!」で夫々英語とスペイン語を示していた。「Good luck and bad luck alternate in waves」、「La buena y la mala suerte se alternan en oleadas」

 また、影響を受けた人では「武士道」を書いた新渡戸稲造や福沢諭吉、吉田松陰、寂聴を挙げていた。
 長い外国生活からの考えとして、身近な外交術は ①得する挨拶と名刺交換、②損する招き方と招かれ方(贈り物をもらったら、贈り物で返すなど) ③レセプション、パーティ活用術(主催者に挨拶とお礼)。
 おもてなしとは、客への心配り、最大のおもてなしを受けるとは、ご馳走になる、自宅に招かれること、としていた。

 退職後の2015年に多言語学習ブログ“You can 2020”を立ち上げた。これは語学下手、外国人恐怖症撲滅サイト。これで英語とスペイン語同時にマスターを、と推薦。8年半で130か国以上の閲覧になっているそうだ。そして若干英語の語彙・発音の勉強に。
   

 安全保障の根幹として、国際社会とは殺人・暗殺・毒ガスなど何でもありの社会。その中で日本を守るとは、領土、領海、EEZを守ること。恒久平和、世界平和を実現するには、知識、知恵、歴史を知ることと、コミュニケーション力が必要と、外交官の経験知識から語る。

 ソフトパワー外交の要が国際交流。軍事力や経済力などに寄らず、文化、政治的価値観などで共感、信頼を得て発信力増に。相互理解の増進を図ること。

 まとめとして ①身を守る語学を! ②身近な外交術を! ③安全保障の肝を意識した! そして、図書館や小中高学校に希望図書の購入願を出すこと。そして最後のお願いと私の夢は、 you can 2020の真髄を基に語学と国際安全保障論の本の執筆を!と語る。