トップページ |当サロンのご案内 |いままでの活動内容と歴史 |

~ 緑園国際交流 第113回 トークサロン ~
森と湖の国フィンランド
フィンランド政府観光局勤務のクンプライネン ミッラさん

 クンプライネン ミッラさん  
 クンプライネン ミッラさん  
 緑園国際交流事業のトークサロンの第113回目が、10月24日(土)緑園クラブハウスで開かれた。今日のスピーカーは在日のフィンランド政府観光局に勤務されているクンプライネン ミッラさん。出身地のタンペレ大学大学院で歴史を専攻、日本の国際基督教大学に留学経験もあり、めでたいことに、最近日本人男性と結婚されたそうだ。

 今日のテーマは「森と湖の国フィンランド」で、全て流暢な日本語で話された。冒頭、ミッラさんが今日の参加者にフィンランドのイメージを聞いた時、フィンランドに行ったことや関心のある人も多く、ロシア進攻の悲しい歴史や熱エネルギー事情、4か国語のテレビ受信ができること など、披露してくれる参加者もいた。

 日本からフィンランドの首都ヘルシンキまではヨーロッパの中で特に距離的に近く、またヨーロッパ各地への経由地ともなっており、10時間程度のフライトで行ける。

 国土に森林が広がっているが、湖も多く大小18万以上あり世界一という。人口は540万で人口密度は16人/1㎢ で日本の20分の1以下。

 フィンランドはEUメンバーで通貨もユーロ。サウナは全国300万ほぼ各家庭にあり、白樺の葉のついた枝で体をたたく。サンタクロース発祥の地としても有名で、いつでもサンタクロース村でサンタに会える。作家トーベ・ヤンソンが1940年代作った「ムーミン」の物語は1970年代、日本のアニメの人気も加わって、ムーミンキャラクターは有名。

   

 フィンランドは新学期含めて紅葉の秋から始まり、森では誰もが採取できる各種のベリーが豊富。冬は厳寒だが、部屋の中は日本より暖かく、湖上のスキーがはやり。ヘルシンキ広場ではクリスマスツリーが売られている。春になると4-5月まで雪が降ることもあるが、太陽を求めてサングラスをかけ、皆外に出る。夏は最もさわやかで温かく、きれいなピークシーズンでコテージや湖でバーベキュー。夕焼けも12時ごろ。

 フィンランド料理はポタージュがメインで、各種のパンは副食感覚。日常の飲料はベリージュース、トナカイの肉料理は独特。ビール、サイダーウォッカなど地場のアルコール飲料も多い。

 フィンランド人の性格は正直で少々シャイで無口だが、Yes、Noははっきりしている。Sisuという絶対一人でやり抜く精神がある。

 フィンランドはスエーデンから来た森の中で生活する子孫のフィン人と先住民族のサーシー人がおり、ロシアの侵攻で100年間、その配下にあったが、1917年独立。世界第2次大戦後は高度な福祉国家として、また教育水準の高い国として発展した。高福祉はまた高負担で所得税は20%以上、消費税も24%(食料は14%)など。医療は無料で、かつ水準が高いが、公立病院は待ち時間が長い。

   

 男女平等で女性の社会進出が著しいが、その裏には家族ぐるみの育児サポートシステムなどが充実している。

 教育は世界トップレベルの学力で、義務教育はもちろん、高校、大学、大学院すべて無料。専門職業のための専門学校、専門大学、専門大学院もあり、自由に選択できる。大学に行く人は大学院も卒業する人が多く、進路の選択幅は多い。授業は暗記よりも考えること、どのように表現するかに置いており、この教育による人材がフィンランドをより豊かな高福祉国家にしたのだろう。

フィンランドのSisu精神はクレージーな多くの世界大会、例として携帯電話投げ大会、サウナ我慢比べ大会、泥沼サッカー大会、奥さん運び大会などを開催しているそうだ。

 質疑応答に時間には、参加者から、公務員の数、民間企業との就職人気度、シベリウス公園の奇妙な像(モダンアート?)、湖からの漁獲、自然についてなどがあり、落ち着いた楽しいミッラさんのスピーチに大拍手であった。