国際交流 トークサロン 第156回  
 最近のモンゴル状況、日本との関係
資源豊富で発展性ありの親日国、緊密関係拡大を
 
   
  モンゴル大使館 経済貿易部長・参事官の ムンバット・ウールド氏に 3月23日(土)緑園にお出でいただき、緑園都市コミュニティ協会(RCA)国際交流委員会主催の 第156回トークサロンを開催しました。
 今日のお話は「最近のモンゴルについてと日本との関係について」。すべて日本語で話されました。彼は桜美林大学 国際学部国際学科を卒業されています。

 モンゴルは、東アジア北部にあり、現在は共和制。首都はウランバートル。東と南は中国に、北はロシアに接する内陸国。ゴビ砂漠の北を国土とし、国連加盟国の中で人口密度が最低。人口約350万人、国土は日本の約4倍。
 世界最大規模のモンゴル帝国の基礎を築いだ初代皇帝ジンギスカンは有名。しかし中国、ロシア・ソ連と接することから、歴史的には大変なご苦労の連続。
   

 1921年にモンゴル共和国を創設し、中国からの独立。1921年ソ連との外交関係樹立、1924年に初の憲法制定、社会主義国家「モンゴル人民共和国」誕生。1949年中国と外交関係樹立、1961年国連加盟、1992年民主主義国体制に移行。(社会主義国時代の苦労話も、ちょっと)

 現在は、中国とロシアに過度に依存することなく、バランスの取れた外交関係を展開中。日本・米国・EU・インド・韓国・トルコ等との関係発展に努めている。
   

 日本との関係は、1972年に外交関係、1977年i経済協力開始、2015年に経済連携協定。民主体制移行後、日本が初期投資してくれたこともあり、親日が根付いていると。2021年に日本の経済協力で新国際空港が完成。 

 輸出比率は日本96%、モンゴル4%と偏重のため、今後、馬肉文化育成し改善していきたい、と語っていた。また、モンゴルは他国への輸出好条件の地理的位置、豊富な天然資源などで発展の将来性があり、先進技術の日本の投資で、高品質な製品を他国の市場へ進出する可能性は高い。

 人口構成は日本と真逆。若者と生産年齢層が厚い。これがモンゴルの今後の経済発展を支えていくと思われる。日本もカナダに学び優秀人材移入も考えたらとも思う、とも語る。

   
   
 経済状況は、国土の3%に人口の50%以上が集中する中、平均成長率は5%を維持、2023年は7%近い。総生産に占める基幹産業は咳ダン・貴金属鉱業、食料、農牧業で、輸出は石炭(61%)、貴金属類(15%)、カシミア他となっている。これからも、カシミア、織物、羊毛、皮革、木材、食料品などは輸出増が期待できる。

 モンゴルでは女性の社会進出が進んでいる。女性の長生き、3人に1人は大学卒、2024年から政治家の女性比率を30%にとの国家方針。
 
 観光面では、JAL直行便も就航。食文化も地理的に多様、ホテルも東横インをはじめ国際的チェーンも進出している。30日以内ならビザなしで可能。

 首都ウランバートルの住宅は価格上昇中だが、300万円ぐらい。転売益には2%の課税。土地は外国人は取得できないが、現地人出資を含む現地企業は購入可能。ただし、転売益に8%課税。

 自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値を共有する日本との緊密関係の拡大、深化を重要視しており、2022年はモンゴル・日本の国交樹立50周年でした。両国は飛行機で5時間。これからの両国関係を背負っていくのは若い方々。日本の若い方々にモンゴルに興味と関心を持っていただきたい、と語っていました。

 いろいろと幅広く語っていただいた後、質疑応答の時間に。参加の皆さんから活発に質問があり、ムンバット・ウールドさんにお答えいただいた。