トップページ  |このサロンのご案内ページ   |このサロンの写真集 |いままでの活動内容と歴史 |

〜 緑園国際交流 第74回 トークサロン 〜
幅広い業務で多忙な領事の数奇な体験談
多民族、他宗教、カースト制度などのインドを中心に

西端国輝氏
元領事の西端さん
 着任早々、世界中の信者が押し寄せていた怪しげな新興宗教の街に実態調査のため、変装して潜り込んだが、身分がばれて放り出された体験、安宿に泊まる一人旅の無謀な日本人女性の被害とその救出劇、インド製スクーターの新車を日本人学校教師が購入したが故障続きで、特別修理を頼み、やっと半年で修理を終え、帰国時にはその中古車が高く売れた話、現地で死亡した日本人の遺骨の日本への持ち帰りの苦労話など、インド・ムンバイ総領事館赴任中の数奇な体験談を語るのは、元領事で現在緑園在住の西端国輝氏。
 
 これは、9月22日(土)午後、緑園クラブハウスで、緑園都市コミュニティ協会の国際交流委員会主催で行われた第74回トークサロン。

 人口が10億4千万人、320にも及ぶ言語、内18の公用語、4,600の社会集団からなる民族、多宗教、複雑なカースト制度と激しい貧富の差を持つインドは、遠心力(分断)と求心力(統合)の微妙なバランスの中で渾然とした状態。また最近はI T技術を中心に経済発展も著しい。
聴衆

 総領事館は、現地に滞在・永住している日本人が安全に快適に暮らすため、日本人会の集会所の役目も果たしていたが、日本人会連絡網による貴重な情報交換など、日本人会とは常時、助け合うよき仲間であった。また、急病で帰国時、民間の人々からの温かい援助など、幅広い業務で多忙な領事であったが、いろいろな人とのふれあいで感激し、やりがいのある領事生活を送れたことは幸いであった、と語っていた。

 西端氏は、インドのほか、アメリカ、オーストラリアの領事も勤めてきたが、今回はインドにおける体験について語った。また世界191国の中で、日本の外交官が約4,000人活躍している現状や大使館と領事館の違い、領事の多岐に亘る業務、ウイーン条約による外交官特権などについても語っていた。