トップページ |当サロンのご案内 |いままでの活動内容と歴史 |

~ 緑園国際交流 第112回 トークサロン ~
美しいベトナムについて
横国大(経営学部)留学生  LE NGOC BAO VI さん

レ ゴック バオ ヴィ さん  
 レ ゴック バオ ヴィ さん  
  緑園国際交流事業のトークサロンの第112回目が、9月26日(土)緑園クラブハウスで開かれた。今日のスピーカーはベトナムからの留学生で横浜国立大学(経営学部)で勉学中の レ ゴック バオ ヴィ(LE NGOC BAO VI )さん。テーマは「美しいベトナムについて」。ヴィ さんはベトナム民族衣装のアオザイを着て、円すい形の藁製の帽子ノンラー持参で登場。

 ヴィ さんは、ベトナムで半年、日本に来てから2年、日本語を勉強したそうで、今日のスピーチはすべて日本語で。筆者は、泉区に多く在住する中国、ベトナム、カンボジアなどからの人たちに日本語を教えていた経験があるが、今日の ヴィ さんの日本語を懐かしく聞く機会を得ることとなった。

 参加者は、従来ほとんど決まった人たちが多かったが、今年に入ってからは従来見かけない人たちが多い。今日もそういった人たちが多く、トークサロンが当地区に広く浸透しているという感じを持った。
   


 ヴィ さんは冒頭 「私は、ベトナムの美しさに非常に誇りを持っています。この美しいベトナムを、景色だけでなく、ベトナム人の伝統的な心性・美意識をお話ししたい。」と始める。そして、今日の流れとして、①ベトナムの基本情報として、面積、人口、歴史、服装、風習、料理、気質、芸術などを紹介、②南北に長いベトナムの北部、中部、南部の紹介、③紹介しながらクイズを出し、正解者に賞としてベトナム産品を提供、④日本とベトナムの関係、⑤現代のベトナムといったことを、画像で示しながら紹介。

 歴史では、紀元前8世紀ごろの稲作農業開始や939年に独立するまで、1000年超の中国支配、1858年のフランス進攻、1941年日本の進駐、1945年ベトナム民主共和国成立、1954年ベトナム戦争勃発、1975年同終結といった、厳しい歴史を持つ。ベトナム戦争で、世界最強のアメリカに、世界で唯一勝利した国であることに誇りをもっている。
   

 また、天候不順による凶作に加え、フランス植民地政府と日本軍による食料徴発などにより、北部を中心に40万から200万の餓死者が出たという、日本でもあまり知られていない歴史の紹介もあった。

 国旗の赤地の赤は、独立のために流した血と社会主義を、星の光は、労働者、農民、兵士、商人、知識人を表し、北ベトナム時代のものを使っている。

 現在の公用文字はクオック・グーで、漢字は公的には使われていないが、ベトナム語としては漢語の影響が強く残っており、日本語と共通したところも多くみられる。クオック・グーは、フランス人宣教師が発明したもので、声調入りのラテン・アルファベット表記されている。

 汚れた泥の中で耐えて咲く蓮が国花となっている。どんな環境下でも心正しく生きる姿、生えるところの水はきれいに、香りも濃くなく、ほのかな香り。ベトナム人の忍耐の強さを表している。

  南北に長いベトナムは、北部、中部、南部別に地理・風土・人材面でそれぞれ特徴がある。気候も人の性格も違う、として詳細にわたって紹介。人の性格として、北部は落ち着きがあり、秘密主義で、文化・芸術を愛する。自己主張は強く内向的。不愛想だが一度打ち解けると深く付き合える。一方、南部は活発、クリエイティブ、寛大、素直、頑健。外交的で生活を楽しむ傾向がある。
   サロン後、有志で記念に撮影
   サロン後、有志で記念に撮影


 新しい時代に向け、友好関係を深めるため、1昨年日本との外交関係を樹立。日本がODAの最大供与国となっている。2000以上の日本企業が進出している。日本への留学生は26000人ほどだ。
 企業の株主や主要な幹部の多くは外国人で、多くのベトナム人は一般社員、ワーカーである。援助者・非援助者という関係でなく、互恵的関係となることが私の望みだ、と語る。
 
 ヴィ さんは、「現在勉学中の経営学を基に、日・越どちらの企業をとわずに進みたいと考えている。多くの日本人を前に長い時間をかけて自国のことを紹介する機会を得て、ありがたいと感じている。最初はすごく緊張し、日本語の発音も良くなかったが、皆さん熱心に聞いてくださり、ありがとうございました。」と話していた。