緑えんネットRCA |

NHK「クローズアップ現代」
緑園2丁目の取組みが紹介される
 蚊を媒体とするデング熱についての特集

 国内でデング熱の感染が拡大している事態を受け、NHKでは9月10日(水)19時30分からのテレビ番組「クローズアップ現代」で「デング熱 感染拡大を防げ」を放映した。その概要を下記します。


 各地で感染の確認が相次いだデング熱。感染が分かった人たちの証言と医師の意見、感染拡大が後手に回った対応、木のくぼみの僅かな水でも繁殖し、卵が乾燥しても雨が降り水が溜まれば羽化する恐るべき蚊の生態、駆除の難しさについての専門家の説明などが紹介された。
  ヒトスジシマカ
   ヒトスジシマカ


 ヒトスジシマカは50メートルぐらいの範囲しか移動しなくて、待ち伏せてて人を刺すというタイプの蚊。感染戦が広がっているのは、発病する前の人が移動して、そこでヒトスジシマカに刺されて、その蚊が感染蚊となって、また別の人を刺したというふうに考えるのが一番いいと思う、と専門家は語る。

 デング熱の感染拡大防止の活動例として、西宮市(環境衛生課)を取材。全国でも珍しい害虫などの駆除を専門に行う11人のチームで、成虫になって飛び回り対策が難しくなる前に、蚊の幼虫など限られた虫にだけ効く薬剤を公園の雨水枡に投入し、幼虫の段階で対処。発生したとの想定で訓練を行ったが、住宅街での拡大防止の難しさが分かった。普段から住民が蚊を増やさないよう取り組むことが重要だと、と語っていた。

 幼虫を早く駆除しようという動きは、今の流行そのものに対しての効果よりも、来年ヒトスジシマカの数を減らすという意味では、非常に重要な対策で、来年感染の広がりが遅くなると思う、と国立感染症研究所は語る。遅くとも11月の上旬にはヒトスジシマカの成虫は死ぬが、卵を産んだ状態で冬を越し、来年の春に水を得ると、卵からふ化していく。卵の中のウイルスがつながる率は低い。それよりも来年、別の患者が海外から来て、流行を起こす方がはるかに確率が高いと思う。

 住民たちがみずから蚊の駆除に取り組んでいる地域として、緑園2丁目が取り上げられた。9年前、区のサポートを受け始めた。夏場は毎月個人の敷地を回って、雨水ますに薬剤を入れていく。さらに力を入れているのが地域のごみ拾い。今では多くの住民は蚊が減っていると実感。活動の輪は周辺の地域に広がっている。「自分たちで何とかしないといけない問題だということが芽生えた。住民が主体にやることに大きな意味があると思う。」と長谷川自治会長は語っていた。
 「クローズアップ現代」の纏めのURLは、http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3549_all.html

 デング熱の媒介となるヒトスジシマカが本州から沖縄まで広く分布していることなどから、海外渡航歴がない者についても、デング熱を疑う必要性が生じている。

 デング熱を発症した場合、通常は1週間前後の経過で回復するが、一部の患者はショック症状を伴う重症型デングになることもある。重症型デングを放置した場合の致命率は10―20%に達するが、治療を適切に行うことで、致命率を1%未満に減少させることができる、とされている。
 デング熱の症状については、3―7日の潜伏期間の後、発熱や発疹、頭痛、おう吐などが起き、ほぼ全例に発熱がみられるそうだ。