2014年10月9日号

蚊の駆除に取り組む緑園2丁目の自治会長を務める
長谷川 幹夫さん 緑園在住 71歳

 人好きな元研究者
   
   


 ○…「今年は特に関心が高まっている。周辺地域が一斉に駆除活動を行える環境を作りたい」とにこやか。2005年に住民の要望を受け、自治会をあげて蚊の駆除活動を行う緑園2丁目自治会。自身は2008年に会長に就任した。活動を受け継ぐとともに、今後は他地域との連携も視野に入れている。約30年前に越して来た時は、分区前の戸塚区岡津町。町並みは随分と変わったが、人のつながりを大切にする精神風土は今も昔も変わらない。

 ○…相模原市出身。中学時代に畑で栽培する陸稲(おかぼ)の研究発表をしたことをきっかけに理系の道へ。高校、大学は工業化学を専攻し、卒業後は味の素へ就職。油脂を栄養の観点から分析するなど研究畑を歩んだ。閉じこもる作業が多かったが、消費者と接する仕事に憧れ、技術スタッフとして全国を回ったこともある。商品紹介や栄養講座など「人と接することが好きなのかな」と微笑む。自治会長に加えて地区の活性化委員長や連合自治会長も務め、緑園1万5千人の生活に目を配る。

 ○…「いざという時に頼りになるのは地域の顔つなぎ」と言ってはばからない。町内を約20世帯ごとの班に分け、役員との懇談の場を設置したのはそのためでもある。1年かけて約30の班一つひとつを回り、近隣住民との交流も広がった。時に、菜っ葉服に長靴を履いて清掃活動に参加するのは「思いや要望を聞きやすく、こちらの考えも伝わる」という自分なりの秘策でもある。モットーは「地域は一人のために、一人は地域のために」

 ○…「これからのまちの在り方を考えなければいけない。2、3世帯で暮らす環境の整備や路線バス、中学校の誘致など、やりたいことはまだまだたくさん」と真剣な眼差しで愛するまちの将来を語る。職責の重さから強張っていた表情も、小学生との農業体験の話しになると、ふっと頬がほころんだ。