緑えんネット |RCAコーナー 

未来に向けた街づくり 
まちづくりフォーラム
相鉄いずみ野線沿線 環境未来都市

 基調講演をする高野誠鮮氏  
 基調講演をする高野誠鮮氏  
 横浜市と相鉄ホールディングス(HD)の「次代のまちづくりの推進」についての協定を基に、平成25年からスタートした「自分らしい豊かなライフスタイルが実現できる、相鉄いずみ野線沿線のまちづくり」。

 横浜市と、相鉄HDは、地域、大学などとともに進めてきた内容を地域の人たちに報告するとともに、今後とも多くの人たちに、この取組みに参加してもらおうと、環境未来都市「まちづくりフォーラム」を11月14日(土)フェリス女学院大学 緑園キャンパス キダーホールで開催した。

 基調講演として、石川県羽咋市で「街づくり」を進めた高野誠鮮氏が「可能性の無視は最大の悪策」と題し、同氏の考え方(「できない理由を考えない」、「とにかくやってみる」、「地域・組織を1人の人間として」)や限界部落と言われた過疎集落からの脱却に至る経過について語った。同氏がモデルとなりテレビドラマとなった「ナポレオンの村」やローマ法王に同地産のコメを献上し、街づくりに寄与したことでも知られている。
   
   

 相鉄いずみ野線沿線は、高度経済成長期にニュータウンとして開発されたが、地域住民の高齢化、若年層の流出、住宅・施設の老朽化など進み、今後ともなお一層進展していく、様々な課題が想定されることから、沿線の「環境未来都市」構想をもとに再活性化に向け検討が進められている。
 今回取り組んできた、南万騎が原、緑園都市、いずみ野の各駅周辺の「未来に向けた街づくり」状況につき、横浜市建設局と横浜国大大学院都市イノベーション研究院(准教授野原卓氏)から紹介された。

 それに続き、これまで活動を行ってきた地域、大学、民間企業などから、具体的な取り組み事例が発表された。

 南万騎が原(みなまき)駅前が生まれ変わった。多世代が交流できる街へのコンセプトの下、駅前広場の企画や街の魅力発見するため、高齢者たちからの昔の資料の提供、子どもたちも含めた街歩き、駅前広場に埋め込むサインプレート作り、みなまき街歩きMAPの作成などを行ってきた。
 
緑園地区の取り組み事例を発表する長谷川氏  
 緑園地区の取り組み事例を発表する長谷川氏 

 いずみ野地区では、いずみ野小学校が、「子どもたちに地域の素晴らしさを伝えるため農・食の体験を、と考え、地域資源を生かし、児童の畑体験、その作物を使った給食、さらに全て「いずみ野産」のもので給食を、そしてその料理人をということで「濵の料理人」につながった。こういった活動を学校だけでなく、地域の人たち、特に農家などの人たちと協働で進めてきた、としていた。

 緑園都市では、当地区活性化委員会委員長の長谷川幹夫氏が、当街づくりについての取組みとして、「えきばた会議」を、この会議からスタートした「街カフェ」の状況を紹介。「緑園いきいきマップ」づくりをフェリス女学院大学の先生の指導もあり、緑園総合高校生を中心に勉強中で、今期中には完成させたい。また、当地「活性化委員会」としての9つの取組みについても紹介していた。

 フェリス女学院大学国際交流学部の佐藤教授と同大学のエコキャンパス研究会の学生が説明。当大学は、環境、エコの取組みについては、当キャンパス内の各所に取り入れており、自主的に活動する学生も多い。学校での取り組みを見学したい人への案内・説明や、親子講座なども行っている。

 環境未来都市の取組みについて、日本総合研究所は、協力企業と連携について紹介。研究会を設け、農的空間部会、ヘルスケア・エネルギー・防災といったQOL部会を作り、NTT東日本、NTTファシリティーズ、東京ガス、日揮、日立製作所といった企業とともに進めている。

 事務局は、この取り組みは3年目であるが、街づくりは長期的なものであるので、今後とも、皆さんの参加、協力を願いたいとしていた。