タスカル交流会 第1部
認知症を予防し、認知症の人や家族にとって安心して暮らせる街に
みんなで学ぶ認知症

 
 「高齢化が進展していく中で、認知症の人は増加の一方。 85歳以上の4人に1人、95歳では2人に1人が発症している。認知症は、誰でもがなる可能性のある脳の病気です。
 今日は、認知症がどうして発症するのか、単なる加齢によるものとの差異は、そして認知症にならないためには、ということを私から説明します。
 そして認知症の方との接し方については新橋地域ケアプラザの方々が中心となり、お話させていただきます。」と泉区役所高齢障害支援課の保健師竹内容子さんは始める。

 ふれあい・助け合い・仲間づくり・地域活性化を図る緑園地区のグループ「タスカル」の交流会が8月16日(日)緑園地域交流センターで開かれ、第1部で「みんなで学ぶ認知症」講座が開かれた。

 脳の細胞が萎縮していくアルツハイマー型などの変性疾患、脳血管疾患によるものなど原因別に認知症があることや、認知症の特徴としての「新しいことが覚えられなくなったり、今までのことが、だんだん忘れてしまう」中核症状の場合、治る病気や一時的症状もあるので、早期診断、早期治療を強く推奨する。
竹内さん・松坂さんの熱演による寸劇場面  
竹内さん・松坂さんの熱演による寸劇場面 

 老化による単なる物忘れの場合には、体験の一部を忘れ、ヒントが与えられると思い出したり、時間や場所などは正しく認識していることで、日常生活に支障はない。しかし、認知症によるものは、体験全体を忘れてしまうことから、日常生活に支障が出てしまう、と単なる老化との差を説明。スライドである状態を示し、どちらの場合かを、参加者に問う。

 予防のポイントとして、Ⅰ.生活習慣病を放置しないこと。特に高血圧、糖尿病等は、通院しコントロールすること。Ⅱ.脳若返り3か条の、①早寝早起きで生活リズム、バランスの良い食事、楽しく運動といったメリハリのある生活を、②人とのふれあいと新しい趣味などに挑戦し、脳の活性化を。③計画力、記憶力、2つ以上のことを同時に行う機能などを鍛えること、を挙げていた。

 続いて、新橋地域ケアプラザの石川さん(社会福祉士)、松坂さん(保健師)から認知症の人との接し方の説明に。まず、寸劇が始まった。認知症の人が家に入るのに迷っているところを、近所の人が話しかける場面を二通り演じ、どちらがいいのか、その理由は、と参加者に問いかける。そして接し方の「7つのポイント」にある内容を紹介する。
  石川、松坂両氏の講座で
   石川、松坂両氏の講座で
 接し方「7つのポイント」
1  まずは、 さりげなく様子を見守る
2  自然な笑顔で、余裕をもって
3  できるだけ1人で声掛けを
 声でをかける時は、相手の視野に入ってから
5  相手と目線を合わせて、優しい口調で
6  穏やかにゆっくり、はっきりと
7  せかさず、相手の言葉に耳を傾けて


 認知症の人の家族からのメッセージとして、①家族の気持ちも理解してほしい。②気を使い過ぎず、今まで通りに接してほしい。③認知症本人に、いつも付いていなければならないことを理解して。④介護方法だけでなく、いろんな悩みを相談できる相手がほしい、といったことが寄せられていることが紹介された。

 今日の講座終了後、受講者は認知症サポーターになったとして、証明として「オレンジリング」が配布された。

 緑園地区も高齢化が進んでいることもあり、街中で、当事者に出会った経験がある人、身近な人に可能性のある方もいることから、接し方やどこに相談すれば、といった質問も出され、関心の高さを示していた。「今日参加の皆さんは、認知症にならないために、また認知症の人や家族にとって安心して暮らせる街となるよう、この講座の内容を今日から実践してもらいたい」と主催者は語っていた。

 第2部は、恒例の【タスカル交流会】となり、会員同士の懇親が図られていた。
 
第2部 タスカル交流会で   第2部タスカル交流会で
第2部タスカル交流会で